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幻冬舎新書『昭和45年11月25日』 

あの日からもう40年も経ってしまったのかと感慨深い。

当時私は20歳、地方の大学の2年生だった。高校時代から三島由紀夫の本は割と読んでおり、大学の友人に三島気違いがいたお蔭で、彼が蒐集していた大半の著作も読んでいた(当時三島の初版本は高価だった)。直前の11月12日から17日にかけて、池袋の東武百貨店で開かれた「三島由紀夫展」に彼がわざわざ出かけて買ってきた『三島由紀夫展』(本)も見せて貰ったばかりだった。

表題の本は、三島と関係のあるなしを含め100人以上の人物の、事件前日から当日、さらに直後にかけてのそれぞれの行動と感じた(衝撃を受けた・あるいはその後吐露した)記録を拾い出して、ほぼ時系列に並べたものである。

今となっては事件の概要はもとより、ここに登場する多くの人の言動については、知っているところも多く目新しい事実があったわけではないが、本を読み始めると妙な胸騒ぎがして、自分でも神経が昂ぶるのを感じた。まるで様々な登場人物をある事件の一点に呼び込ませるような映画さながらに、淡々と事実を並べる手法がノンフィクションの構成として新鮮だった。

ところで、当日自分はどうしたかをいえば、やはり驚天動地の驚きで呆然としていたに違いない。午後3時頃にキャンパスで件の彼から事件の発生を聞かされても半信半疑で、その後所属していたクラブの部室で歯学部の学生を見つけると、彼と一緒に酒や地方新聞(当時は全国紙の夕刊はその町では発刊してなかった)を買って私の間借り先で一晩中語り明かしている。部屋にはラジオはあったがテレビもなかったので事件の全貌などよくわからないままだった。そして翌日は酷い二日酔いに悩まされた。

今となっては語り明かすことにどのような意味があって、何を話したのか皆目見当がつかないが、その時はそれ以外にすることは思いつかなかったのだ。その後、各地に散らばっていた高校の友人たちに聞いてみるとやはりその夜は似たような行動をとっている。昭和45年当時、大学紛争は下火になっていたが、高校生や浪人や大学生の多くは飽きずにいつ果てるともない議論に熱中していたものだった。
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[2010/11/26 16:55] 未分類 | トラックバック(-) | コメント(-)
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